2020年4月1日から施工された民法改正により、貸室・設備等が壊れて使えなくなってしまうことによって、通常の居住が出来なくなってしまった場合、契約者の過失を除き、賃料はその滅失部分の割合によって【減額される】となりました。
これにより、『設備に不備が発生したら家主に不利なのでは?』や『どれくらいの金額を減額しないといけないのか?』とお悩みの家主様も多いと思います。

このページでは【貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドライン】について解説致します。

不具合発生時の計算例

賃料減額ガイドライン計算のための表
計算方法はまず【A群】(※電気・ガス・水が使えない)に該当するか確認。
該当するのであれば【A群】の賃料減額割合・免責日数を基準に金額を算出します。
【A群】に該当しない場合は【B群】に該当するかを確認し、該当すれば賃料減額割合・免責日数を基準に金額を算出します。

下記の計算は【契約している月額賃料5万円の部屋でガスが6日間使えなくなった場合】です。
月額賃料:50,000円 × 賃料減額割合10% × (6日-免責日数3日) / 月30日
=500円の賃料減額(1日あたり166円)


【月額賃料8万円の部屋で風呂が6日間使えなくなった場合】はこちら
月額賃料:8万円 × 賃料減額割合10% × (6日-免責日数3日) / 月30日
=800円の賃料減額(1日あたり266円)


【免責日数】とは、代替機準備・業務準備にかかる時間を一般的に算出、賃料減額割合の計算日数に含まない日数のことを指します。

賃料減額になる状況を減らすには

室内の設備が故障により、賃料減額をしなければならない状況をできる限り減らすためには、どのようなことを行えば良いでしょうか。

一つの案としては【退去後の改装で古い設備はできる限り新しいものに変える】というものです。
設備が設置から10年以上経過しているが「まだ動くからこのまま使用する」という家主様も多いと思います。
しかし、【エアコン】・【給湯器】などの補修用性能部品の保有期間は、製造打ち切り後10年です。

もし、10年以上経過した【エアコン】・【給湯器】などが故障した場合、修理を行うための部品がないため製品の取替が必要になります。
すぐに新しい製品が手に入ればいいのですが、時期やタイミングによってはすぐ手に入らない場合があります。

エアコンが動かない暑い・寒い部屋で過ごさないといけない、給湯器が故障して家に帰ってもお風呂に入ることが出来ない。
このような状況が長く続けば、入居者様からすれば「ちゃんと家賃を払っているのに、いつになったら修理するんだ!」とお怒りになられ、最悪の場合大きなトラブルや解約になる可能性が高まります。


新しい製品にしたから絶対にすぐに壊れないという訳ではありませんが、古い製品を使い続けるよりはそのようになるリスクを下げられます。
また、募集時に新しい設備にすることで、「同じ賃料でもこの物件は設備が新しいからこちらの方がいいかな」とアドバンテージにもなります。

ガイドラインの注意点

このガイドラインですが、設備が壊れたら必ず該当するかというとそうではありません。
下記の場合は対象外となります。

入居者の過失・善管注意義務違反での不具合・故障。

天災で、貸主・借主双方に責任が無い場合も賃料の減額が認められますが、供給元の故意または過失、信義則上それと同視することができる事情を含む事由に基づく場合はこの限りではありません。

全壊等で使用及び収益をすることができなくなった場合は、賃貸借契約が当然に終了のでガイドラインの対象外です。

賃貸減額のこのガイドラインは、あくまで目安であり、必ずしもこの通りに減額しなくてはいけないというものではありません。
入居者が安心して賃貸物件で生活が出来るように、基準を明確化したものなのです。

『設備の不具合が発生すると賃料減額しないといけないといけない、家主にとってはとても不利な内容なのでは?』と感じられるかもしれませんが、場合によっては【設備不具合】による必要以上の大きなトラブルを防げる場合もあるため、必ずデメリットになるという訳ではないと思われます。